スリランカの旅
カーストの問題
 

スマトラ沖地震では、インドの復興の遅れが指摘されている。
このことは、カーストと無関係ではないらしい。

そして、インドの下に位置し、もとはインドの王朝の一つがあったこのスリランカにも、
カーストは当然あります。−しかし、国が違えば、カーストも変わる。

カーストというと、バラモン・クシャトリヤ・バイシャ・スードラという、
何だか中学、高校で習ったような名前を思い出し、全部これに該当するかと
思ってしまうのですが、学校の教育って本当に役に立たないと思うのが、大人になって
知るところ。(カーストは4段階どころか、数百に渡り、あらゆる職種=カーストといえるので)。


スリランカの場合は、最高位のバラモンのカテゴリーが無いそうで、
どちらかというと、日本の士農工商に近いかな?これの、“農”の階級が、人口の約半分を占める。

農耕民族の証拠のようなカーストですね。

ただ、先日被災して救済されないインドの海岸地域同様に、
王国のカーストに属さない別のカーストの展開があるようである。

いわゆる不可触民という階級も、スリランカにはある。

表立っては、その差別は無い、ということになっている。
インドだって、階級差別は一応法律上は禁止になっている。
しかし実生活においては、法律など関係なく、その影響がある。
特に結婚の際には、カースト間でまたぐことが無い、というのは、インドネシアでも耳にした。
「友達にはなるし、同じ教室で勉強するが、恋人になる事は無いし、結婚も無い。」 と、
現地人ガイドが当時、話してくれたものだ。

まあ日本でも、皇族の結婚なんて時には、歴史上によく出てきた家系が登場するもので、
表面上は特権階級は無いことになっているが現実には存在する、というのは、世の常か。

スリランカでは、カーストというより、シンハラ人とタミール人との溝が深い感じがする。

ガイドのアリさんにはともて可愛い娘さんが居るが、彼女がタミル人と結婚するなら反対だという。
しかし現実にはそういうカップルも稀にいて、そういう場合外国で結婚して暮らすそう。

「日本人と結婚するといったらどうですか?」ときくと、「それは賛成。」

理由は経済の問題だと、とても正直にあっさりと答えてくれました。
日本人と結婚したい人は、特に旅行関係の仕事をしている人に多いとも。
いずれの場合も、理由は経済と便利さ。
なんともはや・・・この国にもいずれインドネシアばりのジゴロが育ちそうですな!

この問題について書かれた本
1987年
出版

もっと知りたいスリランカ もっと知りたいスリランカ

著者:杉本良男
出版社:弘文堂
本体価格:2,301円
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 余談ですが、図書館には、スリランカについて書いてある本が殆どありませんでした。
かろうじて、「地球の歩き方」がある位。本屋にはこの本は常備されておらず、取り寄せでした。
つくづく、マイナーなんですね。政情不安定が観光産業を妨げる大きな要因でしょうが、一応現在、
停戦協定が結ばれています。
 

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