コラム【酸性雨にはっとさせられた時】

コラム酸性雨にはっとさせられた時

酸性雨にはっとさせられた時

(イル・ド・フランスにて)
郊外で過ごしていた時のことである。

周辺に豊かな穀倉地帯が広がり、大変美しい土地だった。
それぞれの家が庭作りにとても熱心で、とりどりの花を育て咲かせ、ベリーの家庭菜園をしていたりして、そこにいると、本当の贅沢、本当の豊かさ、というものについて、教えられたものだ。


ーが!
そこでぎょっとすることがあった。

隣家(といっても車で行く位はなれているんだけど)が、有料で公開しはじめた庭があるというので、そこを訪れ、昼顔の花の色に、青い変色がみえた時の事。

私はただ単に、色が混じってるんだな位に思っていたが、案内してくれた奥さんが、「酸性雨かしらね?」と、さらっと言うではないか。

こんなに緑の広がる美しい穀倉地帯に囲まれた、花の咲き乱れるガーデンで、自然環境が抜群のところなのに、やはり地球は一つ、というか、ヨーロッパは一つ、というか、水と空気は全世界共有というか・・・

日常会話に何気なくそんな言葉が出てくる位、人の目に見える形で、変化があらわれているということですよね。

ここが工場地帯だったり、東京のように大都会で汚かったりしたら、そんなにショックをうけなかったかもしれないが、なまじ自然がとびきり美しい土地だっただけに、そんな土地で目の当たりにしてしまう環境問題球というのは、かえってショックだった。。。

実はパリも、最近でこそ建造物が白く美しくなっているが、これは実は大規模なクリーニングの結果である。
ほんの3、4年前まで、かなり真っ黒だったそう。その原因は、排ガスと酸性雨。あまりに黒くなってしまったので、予算をとって現在一斉にクリーニングをし、今では白くなっている。その証拠に、売店でちょっと古めのガイドブックや葉書を見ると、真っ黒なオペラ・ガルニエに会えるだろう。
又、運良くクリーニング中の建物をみかけたりすると、使用前使用後、というのが、はっきりわかる。
パリではもう名だたる建造物のクリーニングは終わったと思うので、白くて綺麗だが、東ヨーロッパに行くと、旧態依然のものが見られるはず。それが真実の姿、地球の現実だ。

 

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